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2007年11月の記事

2007年11月29日 (木)

携帯を活用しよう (③:どうして繋がるのか)

今回はチョット難しい技術的なお話、「携帯電話はなぜつながるか」についてです。  優しく、分かり易く説明しますが、技術的な話に興味のない方は、今週はパスください。  以下は、日経BP社発行の「知っておきたいモバイル音声&データ通信の基礎知識」を参考にしています。

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携帯電話には音声の「電話」モードとIモードなどの「データ通信」モードがあります。   まずは音声などを繋げる「電話」モードについて説明します。 携帯電話を掛けると、相手がどこにいるかを電話局のコンピュータ(ホームメモリー)が探し出し、相手がいる付近の基地局から相手を呼び出します。 基地局の数は2007年現在全国に35000箇所、小学校の数ほどあります。 電話会社別での内訳は、ドコモ:46000(うち室内10400)、KDDI22500(うち室内3500)、ソフトバンク:31000局くらいです。 では相手がどこに居るかの記録ですが、これはやや広く、都道府県よりやゝ小さい地域範囲で記録していきます。 各携帯電話にはテレビのように常に電波が基地局から流れてきており、自分の今居る地域範囲がわかります。 その地域範囲を出た場合地域範囲が変わった場合、その移動情報がその携帯電話から電波発信され、新しい位置情報がホームメモリーへ登録されるようになっています。 そのようになっているので、電話相手の位置は大まかに分かるようになりますが、ではその範囲のどの基地局にいるのかは分かりません。 従って、その範囲にある複数の基地局から一斉に呼び出しを掛けることになります。 基地局からは放送のように常に呼び出し電波が発信されており、相手の携帯電話が、「今放送されたその番号はわたしだよ。ここにいるよ」と基地局へ回答することによってつながります。 つながったら、外に盗み聞きされないようにキー情報などを交換して、最寄りの基地局を通して、音声通話が始められるのです。

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携帯電話は移動します。 これが技術的に非常に難しいところです。 それが出きるようになって固定電話から携帯電話へと流れができたのです。 通話しながら自動車などで移動していると、通話中に基地局が変わります。 複数の基地局で通話中の電波をみており、その通話の一番強い電波を受けた基地局が、その通話を担当するといった仕組みになっています。 世界中の携帯電話、数十億もの携帯電話が今どこにいるかの情報管理、これも移動することによっての難しいところです。 携帯電話局のコンピュータはこの情報整理に大半の時間をつかっているので、電話をかけると瞬時につながるようにできるのです。

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みなさんお持ちの携帯電話には、小さな箱の中に非常に多くの機能、物凄い頭脳が詰め込まれています。 1つ目は、無線基地局と電波で受送信できる機能です。 2GHzの電波を利用しており、強い電波が出ています。 2つ目の機能は、「音声コーデック」といいますが、人間の声をデジタル信号にしたり、デジタル信号で受信した情報を音声にして聞き取れるようにするものです。 そして3つ目の機能は、音をならしたり、キーボード操作をしたり、メールをしたりのデジタル操作回路の操作機能です。 とのことで、ユーザはこれらを全く気にすることなく、便利に利用しています。

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その携帯電話も、第1世代(音声中心)、第2世代(低速データ通信が可能に)、第3世代(動画など高速通信が可能に)と進化してきました。 第1世代は自動車電話・ショルダホーンと呼ばれ、1979年~1995年頃のものでした。 一般のひとにはまだ余り使用していませんでした。 第2世代はMOVA(ムーバ)で1993年に実用化され、現在もまだ使用されています。 そして第3世代、FORMA(フォーマ)ですが、これは2001年実用化されて現在のメインです。 各世代での大きな違いは、基地局と携帯電話との間でのデータ通信のやりとりの仕方にあります。 1つの無線基地局で通信を管轄する地域のことを「セル」といいますが、その1つの「セル」では数百もの人が同時に通話をしています。 大勢の通話を同時に受ける基地局は、どのようにして同時に入ってくる電波から、ひとりひとりの会話を切り出しているのでしょうか。 その切り出し方が世代により効率化されて、沢山の情報がやりとりできるようになってきたのです。 第1世代はアナログ通信方式で、電波の切り出し方は細かいですが周波数単位でした。 第2世代はデジタル方式で800MHzの帯域を使用し、電波の切り出し方は時間を細かく刻んでのものでした。 個々の情報はテープに細かく刻まれているようなやり方です。 そして、第3世代はデジタル方式2GHzの帯域ですが、同時に複数の情報を流せるやり方になりました。 Aさんの情報にはA0の暗号化記号をつけ、Bさんの情報にはB0の暗号化記号をつけて、両者を加算して送り、受信したらA0の暗号化記号を引くことにより、最初の情報を取り出せるという方法が考えだされたのです(CDMA方式)。 これにより、飛躍的に伝達される情報量が増え、動画なども見られるようになったのです。 

今週は、ここまでのところにしておきます。 1週間後またよろしく。

2007年11月22日 (木)

携帯を活用しよう (②:ケータイの未来)

前回は、「ケータイ」の現状機能の概要説明でしたが、今週は「ケータイ」の未来についての話です。 ダイヤモンド社刊行・NTTドコモ役員・夏野剛著「ケータイの未来」を参考にしました。

「生活」はこのように変わろうか・・・

携帯からの短い音ジングル(山手線の音楽のような音楽、短く気には障らないが印象的な音楽)が鳴り、これによって目覚める。 携帯は革の名刺入れのような薄さ、ボタンに触れるとディスプレイが表示され、ボタンも表れる。 朝に携帯を開くと、天気図と天気予報が自動的に表示されている。 そしてニュース・大事故・大事件の話がテロップでながれる。 予めソーティングした分野のニュースを確認できる。 家を出ると外出オンラインが自動的にONとなり、戸締り、家の中の状況把握、居場所確認などのできるモードに切り替わる。 駅まで歩きながら、今日の予定を再確認、会社・自宅のパソコンに入っている情報を携帯でみる。 駅の改札を通ると、携帯が自動的にマナーモードに切り替わる。 文庫本や新書、漫画はいまやケータイが主流。 電車内では、それにあとはニュースなどをケータイでみている人が多い。 駅で降り、至急会社へ丸秘の電話をしなければならない。 駅でTelBoxを探し、そこに入って携帯から丸秘電話をする。 TelBox使用料10円/分が自動的に携帯から引き落とされる。 会社や学校のゲートに携帯をかざすと扉が開く。 このように生活そのものが携帯に置き換わっていくことであろう。 テレビ・ラジオ、新聞・雑誌の情報が自分にあった形で届けられる、文書の作成・閲覧がパソコンから携帯へ置き換わる。 そのようなSFの世界がもうすぐやってこようとしている。

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このような生活はもう間近である。 そのインターネットインフラも出来てきているし、お財布ケータイ (Felica:非接触ICカード機能・Suica/Pasmo等で使用の機能)も実用化されており、みなこれらの応用であるからだ。 現在でも携帯電話を手放せない生活を多くの人は送っている。 電話の会話だけでなく、電子メール・ニュース・天気、それに暫く前まではゲーム機の世界であった「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」などのゲームも携帯で楽しむことができる。 お財布携帯によっては、電車の乗り降り・コンビニエンス・自販機での買い物、レストランでの支払い等々非常に便利に使われている。 インターネットにしても、お財布携帯にしても、それらの機能はほんの一部が使い始められたところであり、これから急速に広がっていこうとしている。

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お財布ケータイでの現状利用サービスをご紹介しよう。 20064月からクレジットカードDCMXが登場した。 これはiDマークのあるお店で使えるお財布携帯であり、またプラスチックカードも発行、VISAやマスターカードのブランドスキームでも使用することができる。 海外ではプラスチックカードにして、持ち歩くことができる。 買い物をしたら、電話料金と合算して後払いすることになる。 利用者を広げることを主眼にしており、一万円以下の決済ではサインなどを必要としていない。 この一万円以下のサービスは、DCMX miniというものであるが、20万円以上で書面をもって審査のあるアップグレード版のサービスもある。 銀行との提携により行うもので、審査手続きはインターネットで打ち込むだけで簡単にできる。 

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パソコンの本来の機能はメール・表計算・ワープロ・音楽・映像再生・ゲームといったところであるが、現在のところ余り進化していない。 薄くとか、テレビの録画容量だとかの周辺機能が改良されている。 携帯電話も同様で、基本的機能、そしてコンテンツサービスも徐々には改善されてはいるが、大きな変化は少ない。 携帯電話の画面に、ニュースや天気予報、芸能・スポーツ、占いなどをテロップのように右から左に流すサービス「iチャンネルサービス」が急成長しているといったところ。 寧ろ、テレビ電話・GPS・音楽配信・お財布ケータイといったような周辺の機能がここのところ多く、開発されてきている。 

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では、つぎに20年以上先はどうか、携帯電話の将来の利用について想像してみる。 人間の体の一部を使った認証技術が搭載される。 IDやパスワードといったものが必要なくなる。 このようなことで生活のなんでもが携帯で可能になっていくのだが、そのビジネスモデルやコンテンツが確りしていないと使われる機能にはならない。 となると、一企業だけで開発が進むというのではなく、動植物を含めみんなでの協業(コラボレーション)によってことが進むようになるのではなかろうか。

2007年11月12日 (月)

携帯を活用しよう (①:新機能ここまで来た)

今月と来月は、「ケータイ」についての話です。 今日はその1回目、携帯電話の現状機能についてです。

「ケータイ」は既に私達のまわりに根付いています。 ほとんどの人が持っており、街の公衆電話も数少なくなってきました。 携帯電話が何故これほどまでに普及したのか、理由は3つ考えられます。 ひとつはアナログからデジタルへの移行により、どこでも隈なく使えるようになったこと、2つめは通話料金が低下してきたこと、3つめは小型化と電池の寿命が延びたことです。 更にインターネットへの接続(Iモード)によって、飛躍的に通信が向上したことです。 電車の中でも傍の人に迷惑をかけずメール交換ができるようになりましたし、また重たいパソコンを持ち歩かずにもホームページなどの便利情報を見られるようになりました。

Iモードのお陰で、いつどこででもホットな情報を見られます。 新幹線や山手線の車内には短い文でのニュースがフリップで流れていますが、あれと同じように携帯電話でもニュースが流れています。 ホームページには「ニュース」「バンキング」「トラベル」「チケット/リビング」「グルメ/レシピ」「エンターテイメント」「タウン情報」「辞書/便利情報」などのメニューがあって豊富な情報を見てとれます。 パソコンのホームページでは危険なサイトもあってトラブルに巻き込まれることが多々ありますが、携帯のホームページは通信会社に契約されたサイトの利用が多いですので、その点は安心して利用できます。 非公式サイトも見られますが、公式サイトが見やすく充実しており、利用されます。

携帯で注意したいことは、利用料金です。 ホームページを高頻度に利用すると直ぐに何万円と恐ろしい請求がきます。 携帯でのホームページ閲覧は、携帯利用の契約を常時接続にしてからでないと、危険です。 またケータイからのショッピングも注意が必要です。 クレジットカードNoなどを入力することなく便利に買い物ができますので、携帯の月々の通信利用料金が、ショッピングの費用で買いすぎてしまうことがあるからです。 携帯は料金の点で注意しましょう。

携帯によるホームページの閲覧は高くつきますが、携帯でのEメールは割安です。Iモードの料金体系は通話時間ではなく、通信したデータ量で加算していく方式です。 従って、文字情報だけのEメールは、1回の通信が1~3円程度ですみます。 通話は1分30円ほどですので、Eメールの方が1/10で済みます。

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次にIモードサービスいろいろについてです。 進んだ技術によるもののいくつかをご紹介します。
① テレビが無料で見られます。(テレビをみられるサービスをワンセグと呼んでいます。 日本の地上デジタル放送は、1チャンネル、6MHzの帯域幅を13個のセグメントと呼ばれる箱に分割して放送をしており、携帯端末に向けたサービスは、このうち1つの箱(1セグメント)を用いて放送を行われています。

② GPSサービスがあります。(携帯電話を利用したGPSサービスには、目的地まで道案内をしてくれるナビゲーションサービス、現在地を確認する位置情報サービスがあります。この内、位置情報サービスはインターネットの接続が可能なPCから携帯電話の位置情報を取得したり、携帯電話からパソコンに情報を送ることができるサービスです。)

     株価連絡トリガーメール。(気になる銘柄と株価をあらかじめ設定しておくと、その値を実際の株価が超えた場合、もしくは下回った場合に、携帯電話にメールにて自動的に知らせてくれます。 忙しい方人も、注目銘柄の株価チェックが簡単にできます。)

     音楽配信サービス。(携帯電話に楽曲を1曲丸ごと配信するサービス「着うたフル」は、auKDDI)が第3世代携帯電話向けに200411月から開始しました。 au3.5世代端末「WIN」の場合、1曲あたり数十秒でダウンロードが可能で、価格は1300円程度です。 ソフトバンク、NTTドコモも携帯電話の音楽配信サービスを行っています。)

     直感ゲーム。(ケータイへ向かって体を動かしたり、ケータイを振ったり、傾けたりで、だれもが簡単に遊べる新感覚のゲーム機に 携帯が早変わりします。 ボールを転がしたり、車を進めたり、ジャンプしたり、携帯を動かすことにより操作できます。)

     お財布携帯。(SUICAPasmoなどと同じような買い物を携帯ですることができます。「iD」マークのあるお店で使えます。)

     デコメールサービス。(「デコメール」とは、メールの背景色や文字色を変えたり、写真を貼り付けたり、動く画面にしたり、iモードメールを自由にデコレーションできるサービスです。)

     その他にも、海外で使用できる「World Wing」、ひとつの携帯に2つの電話番号を持たせる「2in1」サービス、携帯を紛失したり置き忘れたときに携帯へロックを掛けるサービスなどがあります。 ロックは自分でロックをしたり、Docomoに依頼したりで行えます。)

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