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2007年7月の記事

2007年7月29日 (日)

俳句を楽しむ(インターネット句会・作り方4)

インターネット上での句会が増えている ・ 俳句雑誌「水煙」発行の横浜の俳人、高橋信之さんと正子さん夫妻は2年前「ブログ俳句会」を立ち上げ、現在会員60人(入会金・年会費各1万円)になる ・ それぞれの会員が俳句ブログを立ち上げ、高橋さんのサイトに連動する ・ 会員同志でコメントを書き合うことができる ・ 毎週1度会員互選で、優秀作品が発表される ・ 俳句はインターネットと、とくにブログとの相性がよく、実際の句会のような味わいがあるという ・ 会員には、高齢者・身体障害者もいて、そのグループサイトも準備されている ・ そちらはブログ活用までは行かないが、6年前から続けられている 
 日本伝統俳句協会も、同様な句会を開始した ・ 会員は600人余りで、月に1000句前後の投句がある ・ 月一回の互選で、高得点の句が発表される ・ 多忙な人の貴重な研鑚の場になっているようで、ネット句会は男性が多く、高橋さんの添削は夜が忙しい ・ 男性初心者が俳句グループに入っていくのには勇気がいるが、ネット句会であれば入りやすいので、大いに活用してほしいと両者言っている    (以上、日経7月6日夕刊より)



<俳句の作り方4> 状況把握から発想まで

 俳句は、詠っている現場の状況を俳句を読んで分かってもらえることを目指してはいますが、その句の趣意(明示されてない場合が多いので)を読んだひとが理解することにも面白さがあります。 そのような言語でのお遊びで成り立っています。 現場の再生が完全に成されることは不可能といってよく、趣意が違ってくることもよくおこります。 今回は、読み手にどのように読んでもらえるものか、どのように状況把握して作るとよいのかを、見てみます。

 全体状況を表すには、状況の叙述を、下五に置くよりも上五におく方が理解されやすい:例→「舟で来る瀬戸の花嫁島は春」と「島は春瀬戸の花嫁船で来る」とを比較すると、「島は春」を上五に置いた方が、春の麗らかな気分での結婚が伝わってきます。 「島は春」を下五に置くと、花嫁が舟で来ないと春は来ないのか、舟で花嫁が来ると島が春の気分になるのか、などなどと、読み手により趣意が違ってきます。 前者「伝統派」と後者「表現派」どちらもありますが、詠み手の気持ちの強さで決まりましょう。詠み手の気持ちが、ユニークであるか、精錬されているかなどが、俳句作りの初めになる発想段階でのポイントです。

 一句中に主体はひとつ:例→「笛太鼓渡すや雛まゆみあげ」でみると、人が(主体1)が雛人形に太鼓などを持たせると、雛は(主体2)は顔を上げるようであるとなる。 このように一句中に二主体が入ると、落ち着きのない句になってしまいます。 これを「笛太鼓渡されて雛まゆみあげ」としますと、主体は雛のひとつになって、雛が生き生きとする様子が伺えるようになると思います。 なおここで「笛太鼓手にしてまゆみあげ」となると、同じに主体はひとつですが、これでは以前にもっていた太鼓を取り戻してとのニュアンスになってしまい、すっきりしません。 主体はひとつであっても、このような表現では主体の気持ちが現れませんので、主体の感情、表現方法がひとつのポイントになります。

 句末に時間・空間・状況変化などの語を置くと、想起広がりを持たせられる: 次のように、()内を→のとおり変えることにより、句に広がりを持たせることができる。 「(呼びあひてやがて競ひて虫の鳴く)→ 呼びあひてやがて競ひて虫の夜」・「(木の芽雨小枝小枝に玉しずく)→ 枝々に玉のしずくや木の芽雨」

   参照:野浪正隆の「俳句の表現法」

このブログの目次は 下記ホームページ
 の「ブログ」項目よりご覧いただけます
   http://www.abcaiueo.com/

2007年7月22日 (日)

俳句を楽しむ(若い人材を求む・作り方3)

俳句の世界で60歳はまだ若手 ・ 俳人協会(1万4千700人)の平均年齢は73歳 ・ 現代俳句協会も70歳以上 ・ 両協会とも若い人材を求めて動き出した ・ 60歳未満、俳句初心者限定の「卯浪教室」が全国13箇所に拡大した ・ 講師の若手俳人今井肖子さん引率で明治神宮への体験教室を実施 ・ 若い女性生徒から 「周りの自然がよく見えて新鮮だった」「健康的で知的な刺激を楽しめた」との評 ・ 現代俳句協会では昨年、ジュニア研修部を発足させ、小中学校での出張俳句授業の講師をしている ・ 出来た俳句に人気投票をするなどして盛り上がっている ・ 「こどもの日本語力」のためにも、「将来の俳句会」のためにも効果的と手応えを感じている

<俳句の作り方3> 情景・感動をメモにする

①驚きや感動、こころに響いた情景をことばにするのが俳句です。 ただ見たままを写生するのは報告であり、俳句ではありません。 風景ならば、その中の一点をみつめ、感動を引き出しましょう。
  石神井に鴨が沢山泳いでた・・・・・報告
  夕日映え波の狭間に落ち葉浮く・・情景句

②考えて作らず、感じて作る。 こころに沸いた感動を、驚きをこどものように、素直に発してこそ人のこころに響きます。 感動を、情景を10や20の短い語句で、メモ書きしてみる。 それに季語などを加えて、語句をつなげると俳句になっていく。 「感動の語句」を拾い出し、強調するようにもっていく。 「視覚」、「聴覚」、「嗅覚」、「触覚」、「味覚」の五感を通して受けた感動をことばにしてみましょう。 学校でならば、「卒業の時期がきたなぁ」「春になったなぁ」「おいしいなぁ」「元気だなぁ」などなどと感動を、書き出してみてください。
  雪解けて村いっぱいの子どもかな・・・蕪村

③戸外に出て、生きているもの、使われているものをみて、感動を感じ取ってください。 部屋の中では、本を見てでは、よい句は生まれません。 芭蕉は「物の見えたるひかり、いまだ心に消えざるうちに、云いとむべし」と言っています。 感動があるうちに、句を詠むことが大切です。 作っては捨て、作っては捨てての実体験で、感動が身につけて行ってください。 

④感動を他人にも共有してもらえるように、その句の中に情景が入るとよい。 俳句の中に、情景が詠われると、読んだ人も自分なりに感動を掻き立てて行けます。

⑤絵画は情景、感動を、或いは虚実のはざまを表現することができますが、一瞬の情景です。 俳句も絵画同様、一瞬の感動を書き表すのですが、俳句ではその一瞬を中心にして時間空間、神仏の眼でなど全てを、17字に詠むことができます。 また読者も臨場して、自分なりの感動の心をもって、いい気分に酔うことができるのです。
感動は上記の五感を超えて、迫ってくるもので、沢山あります。 絵と俳句を並べるのであれば、絵に俳句の情景を全て表現することはできません。 ポイントだけを強調描写すればよいでしょう。

参考書:俳句入門講座
     感動で俳句をつくる
     俳句と絵画の違い

過去のブログ項目は、下記ホームページを
ご参照ください。
  http://www.abcaiueo.com/00hp/01ct/01ct/01tk/0blg.htm

2007年7月16日 (月)

俳句を楽しむ(高校生に人気・作り方2)

写真甲子園ファッション甲子園はんが甲子園パソコン甲子園音楽甲子園まんが甲子園などとあって、高校生同志での作品競技が盛んになってきているが、俳句の甲子園も400人と参加者が増えている。 正岡子規ら多くの俳人を輩出している松山は、市内に句碑が500ヶ所近くもあって、路面電車の中にまで投句ポストがあるという俳句の街である。 ここ松山で俳句甲子園が、夏のイベントとして成長している。 一高校5人でチームを組み、ひとり一句披露、批評し合って、その状況を審査員が見て勝負をつけていく。 今年は、27都道府県、69チームが参加した。 俳句甲子園のほかにも俳句コンテストはいろいろとある。 マルコボ・コムが行っている「観光名所を巡りながら句を詠む」コンテスト、「子どもたちに、ことばの力を身に、そして俳句を通して自然に親しみを、身の回りのことや他人への理解を深めるきっかけになればと、始めた小中学生俳句コンテスト」の大会がある。 その他にも「神奈川大学の全国高校生俳句大賞」があるが、神奈川大学では俳句の講義に、受講生が500人集まるという。 若者への俳句熱、今ヒートアップしている。 (朝日新聞7月14日・日経新聞6月29日より)

 

<俳句の作り方2>季語と切れ字と材料選び

①季語を使う:歳時記が季語の辞書です。
 古来からの四季折々の季語と心を集約。
 俳句の実践的用語集、日本季節の辞典。
 歳時記ホームページを開き、左上の
 「歳時記」をクリック、季節、動植物などを
 入力して絞込んで、適切季語を見つける。

②切れ字を使う: (現代俳句協会より
  句を前後二つを分けるのが「切字」です。

A 古池や +蛙飛び込む水の音    芭蕉
A 菜の花や+月は東に日は西に    蕪村

B柿食へば鐘が鳴るなり+法隆寺 正岡子規
B本買へば表紙が匂ふ +雪の暮 大野林火

 最後に切れのある作品もあります。 最後に
 切れ字を入れる場合は「かな」「けり」などの
 終止形で切ります。これも「切れ字」です。

C流れゆく大根の葉の早さかな  高浜 虚子
C鶏頭の十四五本もありぬべし  正岡 子規
Cくろがねの秋の風鈴なりにけり 飯田 蛇笏
C白妙の菊の枕を縫い上げし   杉田 久女

 

③俳句の材料は自然と人間:
 身の回りのもの、人の感情・行動など
 どんなものでも俳句のテーマにできます。
       (現代俳句協会より

 人間を詠む:

  ・人のしぐさを捕らえる

  ・人の無意識なしぐさを捕らえる

  ・人の感情を捕らえる

  ・他人の表情を詠む

  ・自分の顔を詠む

  ・人物描写

  ・別れを詠む

  ・ドラマに仕立てる

 自然を詠む:

  ・景色を詠む

  ・地名を盛り込む

  ・歴史を盛り込む

  ・動植物を詠む

  ・動物の顔を詠む

  ・花鳥風月自然を盛り込む

俳句の作り方に参考になるホームページ:
  「俳句100の質問箱」
  現代俳句協会 「俳句入門」
 

2007年7月 8日 (日)

俳句を楽しむ(俳句コンテスト・俳句作り1)

今月は毎回、前段で俳句の話題を、後段で俳句の作り方について触れます。 今回は、「俳句のコンテスト」と「俳句作りの基本」です。

・ 伊藤園 「お~いお茶新俳句大賞」
  毎年11月~2月に募集
  平成元年から毎年続いている
  昨年は170万件の応募 入賞作品3千件
  入賞作品は自販機販売の缶に表示される

・ JCFL全国高校 「English俳句」
  朝日ウィークリー主催、三省堂協賛
  募集期間:2007/6/25~12/8
  高校名をリストから選択入力

・企業・団体のPR俳句になるが、下記がある
  日本赤十字社 「献血俳句コンテスト」
  シェリング 「花粉症五七五大賞」
  全国清涼飲料協会 「ラムネ俳句大賞」
  草津にちなんだ 「俳句コンテスト」 
             ・・・賞金3万円

<俳句の作り方1>:写真俳句:写俳への姿勢

俳句の決まり:季語を入れる・五七五の音節で
 写真・絵画を添付する場合、季節を合わせる
写真・絵の主役と俳句の主役を一致させない
 同じになることベタ付けといい感心されない
写真・絵の外にあるものを俳句で表現する
 同じ内容になると写真の説明になってしまう
言葉と言葉の間になにかを残し隠すのがよい
 写俳を見る人により感じ方が変わるのでよい
切れ字を入れる。「や」「かな」「けり」など
 ほかにも「ぞ もがな か よ つ ぬ し」
写真俳句は文字配置カラーにも配慮をする
 写真の主と俳句の主が別なのも面白い
   

<English俳句の作り方> 
            ・・・「JCFL・English俳句」

  基本は16~17単語でつくる 
            ・・・ 3行(3文節)で
  詠む人にイメージを掻き立てるものがベスト

2007年7月 2日 (月)

俳句を楽しむ(巷に俳句仲間が増えている)

 パソコンで俳句を書いて、メールやブログで交換をしたり、筆書きソフトで俳句を書いてウェブアルバムに登録をしたりして、お互いに楽しむことができます。 ウェブアルバムやブログに登録をすれば、自由にコメントを書いて、俳句本来の楽しみを、お互いで興ずることができます。 とのことで、今月は俳句の楽しみ方について勉強をしたいと思います。 まずは、日経夕刊に連載されています、世の中の俳句仲間での楽しみ方をみてみます。

 中高年層から高校生ら若者まで、俳句を楽しむ人が増えているようだ。 静かだが、根強い俳句人気について探っている。 俳句会が巷でいろいろあって、仲間が俳句に興じている。 紹介されている会合などのホームページを下記します。
  浅草向島「春耕」会:幹事・伊藤伊那男
    http://www.haisi.com/saijiki/
  春耕会ほか 俳句会の句集
  鈴木栄子の フォト俳句
  ロシア語の俳句 ロシア語句会
  北側松太の ネット句会
  インターネット俳句 ブログ句会
  現代俳句協会 インターネット俳句会
  愛媛大学 ブログ句会
  芭蕉の句 芭蕉.COM

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